90歳の介護旅行

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旅行の計画

50年前の地図/旅行の計画3



「すごい地図だね、
伊能忠敬が作った地図のようだよ」

「わしゃ、昔から
これでどこでも行っとるんじゃけんの」

「だけど、
今回は車なんだからこの地図じゃ役に立たないよ。

だいたい東名高速道路が出てないし、
街並みや道だってだいぶ変わっているから
これじゃわからないよ」

「馬鹿なことを言うな、
どんなに変わろうと
昔からの道筋というものは変わらんよ」

あくまでも頑固に言い張るので
では、その50年前の地図を頼りに行こうと
とりあえず、話だけ合わせておいた。続きを読む

旅行の計画

遠い親戚/旅行の計画2



普段は遠くにいる親戚のことなど
さらさら頭の中にないのだが
こうやっていざ、旅行の計画を立てていると
あっちの親戚、こっちの親戚と
次から次へと逢っておきたい親戚が出てくるようだ。


どれどれ、とノートを覗いてみると
ずいぶん知らない名前が並んでいる。


この人は誰?と聞くと
「オヤジの弟の2番目の連れ合いの・・・」

「そんな人、もう死んでるんじゃないの?」

「死んどるか死んどらんか行ってみたらわかるわい」続きを読む

旅行の計画

お墓参り/旅行の計画1



暖かくなり
周囲の思惑が外れ
思いがけず元気を回復した父が
頭の中で考えていたことは
故郷である四国へ旅行をすることだった。


四国へ行くというので
てっきり墓参りがしたいのだろうと
こちらは勝手に考えていた。


今回具合が悪くなったことで
いつまでも元気でいられるわけがないのだから
死んだあとのことも考えて
墓参りなどしておかねばと
殊勝なことを考えているに違いない・・・と。


何しろ
自分が入る墓なのに
これまで十分暇はあったにもかかわらず
墓参りになどしたことがなかったのだ。続きを読む

介護ベッド

介護ベッドを返却/介護ベッド5



あれだけ大騒ぎして
やっと借りることができた介護ベッドだが
仏間におかれたまま
誰にも使われずじまいで
ほぼ半月がたとうとしていた。


こんな状況では
このまま置いておいても
結局はムダになってしまうだろうし
この介護ベッドを借りたくて
今か今かと順番を待っている人もいるだろうから

思い切って返してしまおうと
私たち姉妹は判断し
介護用品店に電話を入れて
取りに来てくれるようにとお願いをした。続きを読む

介護ベッド

介護ベッドは隣の部屋に/介護ベッド4



介護用品店の担当者には
大変気のまずい思いをさせてしまいながらも
なんとかベッドは組立て完了。


もう一度使い方の説明を受け
不要になった場合の手続きなどについても
聞いておく。


担当者が帰ると
父は「こんなもんは邪魔だ」と何度も繰り返し
何と、
「これじゃ、コタツにあたれんじゃろが」ときた。


いったい何のために
この介護ベッドを置いたと思っているのか・・・。

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